投稿(文、写真):鍵山眞由美, HP編集:中村一彦
ご挨拶
写真① こんにちは!2024年12月に入会させていただいた鍵山です。かねてから念願だった気ままな旅を楽しみたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

今回の台湾旅行のいきさつ(2025年3月)
入会後まもなく、クラブ主催の台湾ステイから追加募集のお知らせが届きました。この旅行記はロングステイ終了後、高雄から台南、台中、台北へと北上した旅の記録です。台湾は世界一親日の国、しかも、そのルーツは日本統治時代にある…それは本当なのでしょうか。偶然立ち寄ったいくつかの記念館で、それを実感することができました。
(1)治水事業の歴史:隆田Chacha記念館

写真② 出発前、友人に台湾行きの話をしたところ、「母方の親せきが台湾でダムを造り、その関連の記念施設が台湾にできて…」という話を聞き、びっくり!そこで、2022年に完成したという記念館を訪れてみることにしました。

写真③ 隆田に完成したChaCha記念館です。ChaChaは、文化遺産エリアの Cultural Heritage Area の略。 日本統治時代、1930年に完成した台南の烏山頭ダム。ChaChaはこのダム建設に関わる鉄道や倉庫群などの遺構をリノベーションした教育施設です。

写真④ 東洋一といわれるこのダムは、大正時代の土木技師八田與一が10年がかりで造りました。台湾で最も尊敬されている日本人のひとりと言われています。

写真⑤ 小学生も楽しみながら地域の産業史を学べる施設。ITを駆使したさまざまなゲームが!

写真⑥ 八田與一の従兄弟で、共に台湾にとどまり、ダム完成までを絵画にして残したのが伊藤哲画伯。ダム竣工の記念品として製作されたロウケツ染めのタペストリーが施設内に展示されています。繊細かつ精密なタッチにすっかり魅了されてしまいました!

写真⑦ 日本と台湾で出版された伊東画伯を描いた童話。Amazonで入手しました。なかなか面白く、NHKのドラマにしたいくらい!金沢の生家にはギャラリーがあるとのこと。ぜひ訪れてみたい!

写真⑧ 私が日本人だとわかるとすぐに日本語の分かるガイドさんが呼ばれ、付きっきりで説明してくださいました。八田技師の命日には今日でも多くの台湾人が集まるとのことです。

写真⑨ 時間も忘れて聞き入っていたら、帰りの電車ギリギリの時間に!すると、なんとバイクで駅まで送ってくださるとのこと。結局、私の荷物がバイクに乗りきらず、車を出してくださり、ギリギリセーフで駅に駆け込むことができました。
(2)剝皮寮歴史街:台北市郷土教育センター

写真⑩ 大雨に降られてしまった台北。そういう時に限って傘を忘れる。雨宿りできる場所を探してたどり着いたのが、ため息の出るようなレトロな街角!

写真⑪ その名も剝皮寮歴史街。なぜ「剝皮」などという物騒な名前が?その昔、集積した木材の皮を剥ぐ場所だったとのことです。

写真⑫ 剝皮寮にある台北市郷土教育センターは、百年以上の歴史を誇る老松国小の隣。台湾の学校制度の歴史を紹介する興味深い展示パネルもたくさんありました。

写真⑬ 「日治時代」の写真。皇居に向かって礼をしている台湾のこどもたち。

写真⑭ ここで出会った日本語ガイドさん。ほかに日本人観光客もなく、その熱心な説明を独り占めして聞き入ってしまいました。「国を作っていくのに一番大切なのは教育」というのがガイドさんの持論。「だからこそあった科挙制度。」なるほど!

写真⑮ こちらのガイドさんはいつもこの博物館にいるわけではなく、今日がたまたま出勤日だったということです。ラッキーでした!剝皮寮歴史街には台湾医療の歴史も展示されているそうです。また来ます!
(3)台湾新文化運動紀念館

写真⑯ レトロな感じの建物を写真に収めよう、という軽い気持ちで立ち寄った台湾新文化運動紀念館。入り口で大歓迎を受け、中を見学することに!

写真⑰ 日本統治時代の警察署を保存したこの建物が、のちに皮肉にも、「政治犯」と言われた台湾の独立を支持する人たちを記念する会館になったのだそうです。

写真⑱ クイズに答えていくと、最後には政治日報の表紙に自分の写真が組み込まれるというコーナー。係の女性の方と一緒に何度も試行錯誤してやっと成功!ふたりで大喜び!

写真⑲ この資料館の目玉は、昔使用されていた牢獄の展示。鉄格子の中にはトイレ、水責めの部屋も。

写真㉑ 二階では台湾統治時代に出来上がった日本の警察システムの展示があります。

写真㉒ 私が日本人だとわかると、日本語の分かるガイドさんが呼ばれました。各部屋に付き添ってくださり、丁寧に説明をしてくださいました。

写真㉓ 見学の最後は、当時歌われていた台湾を称える歌で締めくくられます。かつて日本が取り締まった政治運動家たち。当時の独立支援の歌の流れる中、その方達を記念する会館で、現代の台湾人と日本人が握手をして別れる…そんな素晴らしい体験でした!
台湾に行くまでは、台湾は日本に近すぎて、新しい発見はあまりないのでは、と思っていました。でも、新発見、わくわくの連続でした!
困ったことがあればいつでも連絡くださいとおっしゃってくださった神原さん、到着直後からこまごまとお世話してくださった後藤さんご夫妻、初参加を日本から応援してくださった鈴木さん、保坂さん、またステイ中に仲良くしてくださった皆さま、どんなときも寄り添ってくださった謝さん、そして最後に、この旅行記の投稿を辛抱強く待ってくださった編集の中村さんに、心より御礼申し上げます。
以上
コメント
素晴らしい台湾旅行記ですね。烏山頭ダムには何回も行っていますが隆田chacha記念館のことは全く知りませんでした。来年の高雄ステイの際是非行って見ます。
それ以外の金沢の伊東画伯の生家、台北の郷土教育センター、台湾新文化運動記念館なども興味深く拝読しました。
写真のアングル、中村さんの編集も素晴らしい。
良いものを見せて頂き有難うございました。
コメントをありがとうございます! 中村さんの編集のおかげです。金沢の生家のギャラリーも訪れてみたいと思っています。伊東画伯のタペストリーの繊細なタッチと、ドラマチックな人生にすっかり魅了されてしまいました。