ラオスの休日:ルアンパバーン

投稿、写真、HP編集:鍵山眞由美  
2026年2月6日~2月11日(5泊6日、うち機内1泊)

一つの街に数日間滞在して、そこを拠点として近場を観光するのがわたしの好きな旅のスタイル。周遊型の旅は、移動の時間や荷物整理の時間、たびたびのチェックイン、チェックアウトがもったいなく感じます。滞在する街の条件は、美しいのはもちろん、コンパクトで居心地よく、徒歩で安全に回れるところ。ラオスのルアンパバーンはまさにこの条件にぴったりの街でした。

ルアンパバーン基本情報

ルアンパバーンはラオス北部のメコン川沿いにあります。長い間、王国の首都として栄えてきました。やがてフランスの統治が始まり、首都が南部のビエンチャンに移った後も、ルアンパバーンは王都の地位を保ち、仏教文化の中心として栄えてきました。この美しい伝統的街並みは1995年にユネスコ世界文化遺産に登録されています。

ルアンパバーンへは、日本からバンコク経由で片道10~12時間ほどかかります。恥ずかしながら、今回初めて知ったのですが、ラオスはなんと、共産圏なんです!旧ソ連の国旗に似た旗が街のあちこちに見られたのもそういうわけだったんですね。滞在15日以内であればビザ免除で入国できますが、それ以上ですとビザの申請が必要になります。

空港から市内までタクシーで15分くらいのアクセスで、ホテルにお迎えを頼みました。私がお世話になったのは星3つのブティックホテル、メゾンダラブア(Maison Dalabua)。市のはずれにあり、敷地内に世界遺産に登録された美しい蓮の池があります。

至福のホテル

私が訪れたのはベストシーズンの終わり頃にあたる2月でした。ホテルの料金はハイシーズンですので高め。幸いなことに、私は本棟ではなく、100メートルほど離れた、このホテル経営のヴィラに泊まることができました。ここだと、だいぶ格安です。

クリックすると画像が大きくなります。

嬉しいのは、ヴィラの宿泊者も、本棟付属の蓮の池の水上デッキで、優美な朝食をいただけること。至福の風景を満喫しつつ、フレンチ風ラオス料理のビュッフェは最高!お客様はフランス人の上品なリタイア組のご夫妻がほとんどで、私はいつも浮いた存在でした~(池だけに・・・?!)(クリックすると画像が大きくなります。)

まずは、ラオスの托鉢

早朝の托鉢の行列を見てみたい!と思ったのが、そもそも今回のラオス旅行のきっかけです。僧房に暮らすお坊さんたちが、夜明け前から托鉢を開始し、あらかじめ準備されたもち米やお菓子を受け取ります。

ラオスの仏教は大変厳しく、幼い男子はお寺に住み込み、一定期間修行を積むのが一般的だとか。その後、本格的な修行を続けて出家してもよし、途中でやめて俗世に帰ってもよし…。私は今回、そういった「元僧侶」のガイドさんをお願いしました。

(↓クリックして動画をお楽しみください。)

貧しい家庭の少年たちは、お寺に入ることにより、食事と住まいと教育を受ける機会を確保できるそうです。今ではそういうことも減ってきたといいますが…。貧しい少女たちはどういう境遇になるのか、少し気になりました。

お寺の庭で作業をしていた少年僧たち
ワット・マイ・スワナプーマハムは、18世紀末に建立された比較的新しい寺院。ルアンパバーン様式で造られた屋根が美しい。

市内にあるオレンジ・ローブツアーにも参加してみました。「元僧侶」の皆さんがガイドを務める非営利のツアープログラムです。「お布施」を支払い、近くのお寺へ・・・。実際に聞いたのは、お寺の案内や仏陀のお話ではなく、ガイドさんの身の上話。幼いころ両親を亡くし、兄弟によってお寺に預けられ、今は俗世で働いているとのこと。どのような説法より染み入りました。

市内には、「ビッグブラザーマウス(Big Brother Mouse)」という非営利組織(NPO)もあります。旅行者はふらりと立ち寄り、見習い僧と会話を楽しむことができます。こうして旅行者は若い僧たちの生の声を聴き、僧たちも英会話の実践を積むことができる、という賢いシステムです。はにかむ少年僧は本当に可愛く、一挙に孫目線に…!修行を積んでいる期間は、母親にさえ触れてはいけないとのことでした。

ルアンパバーン旧市街:癒しの街歩き

平坦でまっすぐな旧市街のメインストリートは、端から端まで行っても1キロちょっと。メコン川とその支流に挟まれていて、脇にそれると悠々とした流れを見渡すことができます。

街歩きを楽しめるのは、涼しい朝か、日暮れ後。一時期、フランスが統治していたため、メインストリートの中心部にはフランス風のしゃれたカフェや小物店が並びます。

絶対に外せない夜市と朝市

ルアンパバーンでは、夜になるとメインストリートは通行止めになり、所狭しと露店が並びます。ほとんどがラオスの山岳民族による工芸品。スズの装飾品やランタン、手作りの刺繍のグッズです。

ガイドさんの話では、かつては、品物をしょって山から降りてきた「本物の」山岳民族の人々が出店していて、もっとエキゾチックで華やいだ雰囲気だったそうです。

お楽しみは路地裏のローカルフード。特にお菓子類はたまらない!あつあつを持ち帰ってホテルで楽しみました。

夕食は、イスとテーブルを路地裏に並べただけのローカル食堂で。注文の仕方もよくわからず、隣の人の食べている麺を指さして「アレ!」と言って注文。アツアツの麺のスープに新鮮な野菜(どうみても雑草?!)を入れて湯がいて食べます。これがラオス流?美味しくてヘルシー!

翌朝の朝市も、ぜひぜひガイドと訪れましょう。今まで行った朝市の中で断トツにおもしろかったです!こんなに多くの食材を見たことがありません。所狭しとシートに並んでいるのは見たことのない野菜や果物。ついさっき摘んできた感じで、朝露がついているくらい新鮮です。(クリックすると画像が大きくなります。)

メコン川の恵みで、魚が豊富なのもラオスならでは。独特な海苔も。さらに、なぜか様々な昆虫、幼虫、こうもり、カエル・・・! ガイドさん曰く、「食が豊かになり、何でも手に入る時代になってもこれらが売られている、ということは美味しいという証拠だよ!」う~ん、そうかなぁ。(クリックしても画像は大きくなりません!遠目からご覧ください~。)

黒いものは独特の味付け海苔
並んだ川魚
ハチの巣、蝙蝠の干物・・・

名勝クアンシーの滝とパク・ウー洞窟

二日目は人気の観光地、クアンシーの滝を訪れました。市街地から車で1時間ほど。有名な多段状の滝で、遊歩道が整備されており、最上流の大滝まで1時間ほどかけて散策していきます。この滝の写真、皆さんもどこかで見たことがあるかと思います。

大小いくつもの滝壺が段々畑のように連なっており、一部のエリアでは泳ぐことができます。水の透明度が高く、美しいミルキーブルーやエメラルドグリーンに輝きます。

三日目はパク・ウー洞窟を訪れました。数千もの仏像が祀られている聖なる洞窟で、市街地からメコン川を遡る2時間のクルーズで到着します。船酔いする私は、どうしようか迷いましたが、どうしても川辺に水を求めてやってくる水牛の姿が見たくて、参加を決意しました。(テレビの「野生の王国」や映画「野生のエルザ」に憧れた世代です!)

悠々と流れるメコン川

これです!野生の水牛かと思っていたのですが、農家が放牧している牛たちだとか。水牛のミルクで作ったアイスクリームは絶品で大人気ということです。残念ながら食べる機会を逸しました。
(以下、クリックすると画像が大きくなります。)

バーン・サンハイ村に到着!
途中、地酒(ラオラーオ)作りで有名な村、バーン・サンハイに立ち寄るのが定番ルート。昔ながらの製造法を熱心に説明するガイドさん。なぜ人は、サソリやマムシをお酒にしたがるのか?毒のあるものを飲むと、元気になる? 謎です・・・!

とうとうパク・ウー洞窟に到着!メコン川沿いの切り立った断崖にある二つの洞窟です。この中に、人々や王族が納めた数千もの仏像がぎっしりと並んでいて、かつて王族も巡礼に訪れたという聖なる洞窟です。

バーシーの儀式

最後の日は、現地のオプショナル・ツァーに参加。このツァーには、ラオス式の伝統料理作り、竹細工作りに加えて、バーシーの儀式(Baci ceremony)もついています。実はこの儀式への参加も今回の旅行目的の一つでした。ホテルのフロントから手配をお願いしました。

食材の準備
まずはお料理体験から。ガイドさんと共に市場に寄ってお料理に必要な材料を選びます。日本にはない野菜がいっぱい。おなじみのなすやカボチャにも、びっくりするほどたくさんの種類があります。ガイドさんのデモンストレーション付きの説明が素晴らしい!ラオスでは何事もエコ・フレンドリー。包装にバナナなどの葉を楊枝でとめて使ったり、ハーブは竹ひごでまとめる。(クリックすると画像が大きくなります。)

ラオスならではの川魚、海藻、干物。なぜか、するめイカ?そして、ソーセージのフライと並んで、さなぎのフライ?カメムシ? うーん、普通に売られているんだ。加工食品もありますが、缶やびんはつかいません。水のボトルの再利用や、ビニール袋に入っています。(クリックすると画像が大きくなります。)

バーシーの儀式
食材を購入してしばしドライブ。目の前に広々した田んぼの広がる郊外の静かな村にガイドさんの自宅兼会場があります。すぐに歓迎の飲み物が配られ、続いて村の人々が協力して、バーシーの儀式が始まりました。

ガイドさんの自宅兼、アクティビティの会場
フルーティなウェルカム・ドリンク

バーシーは古くから伝わる精霊信仰(アニミズム)と仏教が融合した伝統行事です。これによると、人間の体には 32の魂が宿ると考えられています。しかし、旅行や人生の節目などの環境変化によって、これらの魂が体から抜け出てしまうのだそうです。

6名の村の皆さんがバシーの儀式を執り行ってくださいました。

抜け出しかけた魂を体に呼び戻し、健康・幸福・旅の安全を祈願するための儀式がバーシーです。タワーのような祈りの台には色鮮やかなお花、白い糸が飾られ、モチ米、茹で卵、果物、お菓子、お酒(もち米酒、ラオラーオ)などが供えられます。

長老が祈りの言葉を唱え、魂を呼び戻します。その後、戻った魂を体につなぎとめるために、参加者一人ひとりの手首に白い木綿の糸が結び付けられます。最後にモチ米や茹で卵などの縁起物やお酒が配られ、歌を楽しみながら皆でお祝いします。
私も何か歌うように言われ、日本の「ふるさと」を歌いました!
(↓クリックして動画をお楽しみください。)

バーシーの際に手首に結んでもらった白い糸には、大事な約束事があります。体に戻った魂が定着するまで、少なくとも3日間は結んだままにしておくこと、 外す際もハサミなどの刃物で切るのではなく、手でほどくのが良いとされています。

伝統的竹細工とラオスの伝統料理

竹細工のコースターを作りましょう!
竹細工体験では、ラオスのどこにでも生えている身近な竹を使ってコースターを作りました。実はこの工程が大変!!しなやかにするため水につけたり、日光で乾燥させたり、害虫を防ぐため煙でいぶしたり、細くそがれた材料を準備するまでに何日もかかっているのです。何気なくお土産屋さんで売られている竹細工も、こんなに人手がかかっていたのですね。

(クリックすると画像が大きくなります。)

竹を薄くそいでいくのも、大変な作業。私たちはあらかじめ準備されていた材料を用いて、コースターを作りましたが、それでも結構な手作業です。ガイドさんと奥様が忍耐強くサポートしてくださいました。ガイドさんの熱心な語り口から、竹細工というラオス工芸に対する熱い思いが伝わってきます。竹細工はラオス文化の誇りなのです。

伝統的なやり方でラオス料理作りに挑戦!
お待ちかねのラオス伝統料理作り。あらかじめ市場で選んでおいた食材を用いて、ガイドさんと奥様の指導の下、参加者が手分けして作ります。(クリックすると画像が大きくなります。)

スパイス類は石のすり鉢でつぶし、ガスではなく、薪でくべられた火や土鍋を使っての伝統的な手法です。

主食はもち米です。(お酒の原料も同様にもち米。)蒸しあがったもち米をさばくのはコツがいります。取り出した後は、独特の竹細工の筒に詰めて食卓へ。田んぼの見渡せるテラス席でいただきます。

静けさが満ちる田んぼ。できたてのラオス伝統料理とのどに染み渡るラオスビール・・・最後の日のプログラムは、ラオスの伝統と誇りに触れる、忘れがたい体験になりました。単なる過去の記憶の蓄積ではなく、現在も生きている伝統…ラオスに来てよかったと思える瞬間でした。

おわりに

本棟ホテルのフロントの女性。何度助けてもらったかわかりません。携帯電話
の充電器を日本に忘れてきた私に、連夜、スタッフの充電器を貸してもらえるよう手配してくれたり、フロントにお釣りを忘れた時には自転車で本棟からヴィラに駆けつけてくれたことも。彼女なくしては成り立たない旅行でした。私は、忘れ物の多い「コマッタ」日本の女性として、彼女の記憶にいつまでも残ることになるでしょう。私もあなたのことは忘れません。本当にありがとう!

短い期間でしたが、充実した旅でした。美しい街のこじんまりしたヴィラに連泊し、そこを拠点に歩き回る旅のスタイルは、じっくり観光できるので気に入っています。いつかぜひ、LSCの皆様とご一緒に!



コメント

  1. 高田幸夫 より:

    旅の楽しさとルアンパバーンの魅力が生き生きと伝わる、素晴らしい旅行記ですね。
    現地の文化や人々とのふれあいが丁寧に描かれていて、一週間足らずににも拘らず充実した旅になりましたね。
    美しい写真とユーモアのある文章も楽しく、いつか訪れてみたいと思いました。

    追伸、見事な編集力です。引き続きLSC関東のhpを盛り上げてくださいね。

    • 鍵山眞由美 より:

      コメントへの返信が、うまくいきませんでしたので、再度、こちらに書きかませていただきました。失礼しました。

      励ましのメッセージをありがとうございます。これもひとえに、関西の勉強会に参加させていただいたおかげです。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

      お坊さんの托鉢の動画と、バシーセレモニーの動画がうまくいかず(ほかのYoutube チャンネルのサムネイル画像が映り込んでしまう)、先ほど、編集しなおしました。うまくいくとよいのですが…。

      ラオスはタイから飛行機ですぐです。こじんまりしていて美しい歴史の街…おススメです!

    • 鍵山眞由美 より:

      高田さん、コメントへの返信が、堀口さんのほうへ行ってしまいました。コピーしてこちらに貼りつけようとしましたが、同じ内容のコピーは受け付けてもらえず、うまくいきませんでした。すみません。堀口さんへの最初の返信をご覧ください。

      関西HP勉強会ではお世話になりました。私にとって、大きな一歩となりました。また、関西に「留学」したいです!

  2. 堀口昌之助 より:

    ラオスですか?距離はそれほどなくても意識ではなかなか浮かび上がらない国ではあります。確かに1つの国として独立して存在しているのですから固有の文化文明があって然るべきです。意外と整った設備に滞在できることがわかりました。フランスの植民地だったのですね。この国は、閉鎖的で観光を大々的に広げようとしているようには見えません。でもそこに住んでいる人々がこのような文化を作り上げていました。良い勉強になりました。

    • 鍵山眞由美 より:

      励ましのメッセージをありがとうございます。これもひとえに、関西の勉強会に参加させていただいたおかげです。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

      お坊さんの托鉢の動画と、バシーセレモニーの動画がうまくいかず(ほかのYoutube チャンネルのサムネイル画像が映り込んでしまう)、先ほど、編集しなおしました。うまくいくとよいのですが…。

      ラオスはタイから飛行機ですぐです。こじんまりしていて美しい歴史の街…おススメです!

      • 鍵山 眞由美 より:

        温かいコメントをありがとうございます。ラオスはタイからすぐ近くなのですが、いわゆる「近くて遠い」国かもしれません。おっしゃるとおり、観光という意味では、確かに熱心ではない印象です。フランスの植民地だったためか、ルアンパバーンには、おいしいパン屋さんが数件あって、フランスパンやクロワッサンが手に入ります。厳しい仏教の教えと、地元の精霊信仰とが、バランスよく両立しているのが、おもしろく感じました。

    • 鍵山 眞由美 より:

      温かいコメントをありがとうございます。ラオスはタイからすぐ近くなのですが、いわゆる「近くて遠い」国かもしれません。おっしゃるとおり、観光という意味では、確かに熱心ではない印象です。フランスの植民地だったためか、ルアンパバーンには、おいしいパン屋さんが数件あって、フランスパンやクロワッサンが手に入ります。厳しい仏教の教えと、地元の精霊信仰とが、バランスよく両立しているのが、おもしろく感じました。

  3. 井口由香子 より:

    私も鍵山さんが旅した通りにそのまま旅させて頂こうかと思うくらいに旅先案内人になって下さいました!
    有難うございます。

    • 鍵山眞由美 より:

      井口さん、コメントをありがとうございます。おだてられて木に登ってしまいそうです。ルアンパバーンは4-5日泊まって、ゆっくり周囲を観光するのに、ぴったりの街です。超豪華なホテルから、手ごろなゲストハウスまで、さまざま。食事も美味しく、私は気に入っています。ホテルフロントの女性のサポートのお陰で、快適に過ごすことができました。