紅葉3題 その1 川治温泉

「紅葉見物3題」(2022年)

            写真・文章・編集 : 篠崎春彦その1

定年過ぎてから3組のカップルで良く旅行をした。「気を使わなくて済む気心の知れた友人」と旅をするのは楽しいものだ。しかし、コロナの影響を受けてこの3年間、交流をしていない。
11月、紅葉のシーズンとなった。時代は「Withコロナ」となり、全国的に旅行の機運が高まってきた。誰とはなく紅葉を見に行こうとの話がまとまった。行く先は、人込みを避け静かに紅葉と温泉を楽しめる「川治温泉」に決まった。二組は車、我われ夫婦は今年免許証を返納したので川名温泉駅で待ち合わせすることになった。錦秋の山間部を走るローカル線はのどかで、のんびりしていた。退屈もまた、いいものだ。

閑散している川治温泉駅駅

野岩鉄道の「鬼怒川温泉駅」までは人が多くいたが、次の「川治温泉駅」で降りたお客は、我われ夫婦一組と閑散としていた。

伊藤園(一柳閣本館)

宿は「一柳閣」に泊まった。「一柳閣」といえば地元川治では最大規模を誇る施設で、バブル華やかな時には社員旅行や慰安旅行によく使われた。私も何回か行ったことがある。

バブルが崩壊し倒産した。今では伊藤園の軍門にくだって細々と経営を続けて。その代わり部屋は8人部屋を二人で独占し、温泉は貸し切りのようであった。食事の不味さを我慢すればリーズナブルな宿である。

 

水陸両用の船

水響きを上げて洋上走る
川治ダム

さて、お目当ての紅葉はすでに見頃を過ぎていた。それでも日本初の水陸両用観光バスに乗り、これまでとは一味ちがう景色が味わえた。陸からダム湖へ水しぶきをあげて豪快に突入するスリルを堪能した。運が良ければ野生のシカや猿、優雅に飛びまわる猛禽類に出会えるようだ。

 
黒羽観光やなで食事をする

こうして旧友と再会し、秋の一日を十分エンジョイすることができた。昔のように長期間の旅は難しくなってきたが、来春に房総のフラワーラインの旅を約束し別れた。

 

コメント