わが町を語る(緑豊かな公園)

わが町を語る(緑豊かな公園)

文・写真・編集:篠﨑春彦
私は都心から電車で50分、埼玉県久喜市に住んでいます。ここは関東平野の真ん中。山もなく起伏の少ない、変哲のない田舎町です。でも、私は素朴なこの町が好きです。とりわけ、緑の多いわが家の周りの風景に、こよなく愛着を感じています。

家の庭からは弦代(つるしろ)公園を借景とした広々とした公園が広がっています。公園には団地開発と共に作られた調整池があり、池の周りには1200メートルの遊歩道があります。ここは、市民ランナー(現在はプロに転向)として活躍した、川内優輝選手のトレーニングの場として使われていました。

公園が開設して38年になります。今では樹木が生い茂り、立派な森へと成長しました。春先には柳の目吹、山桜、レンギョウ、ヤマボウシなど季節を感じる花の数々で彩られます。

公園の周りは、ボランティアの方々が花を植えたり、草刈りをしたりといつもきれいに整備されています。水辺には鴨類、アオサギ、カワウなどの水鳥がいます。亀が甲羅干しをしながら水鳥と遊んでいます。

そして、信号を渡るとその先に沼井公園があります。この公園も団地開発と共に作られた調整池です。

この公園の特徴は、調整池とその周辺の自然環境です。調節池には、野鳥観察用の設備やビオトープ(生物の生息空間)が整備されており、水鳥などの生物を自然まま観察することができます。生き物がずっと暮らしていける大切な場所を維持するために、制限があります。柵内は入ることが出来ません。勝手に植物を植えることは禁止されています。もちろん魚釣りはできません。まさに生き物の天国になっています。カワセミやカルガモ、ヒヨドリ、コゲラなど約20種類の野鳥が観察されています。

公園には遊歩道(600メール)、照明付きのテニスコート2面、児童遊具などの施設もあります。市民の憩いの場として親しまれています。

ところが、この公園に今問題が起こっています。4月頃から白鷺が住み着き、鳴き声や糞害が発生し周辺住民の生活に影響を与えています。この問題は、BS-TBSの「噂の! 東京マガジン」という番組で放映され、広く知られるようになりました。鳥獣保護法で捕獲して駆除することは法律で禁止されています。今のところ有効な方法はありません。自然と人間の共生の難しさを示す一例と言えるでしょう。

余談ですが、私は公園のテニスコートでプレー中に脳梗塞を発症しました。2009年の70歳の時です。幸い仲間のすみやかな対応によって、市内の病院に運ばれ、血栓溶解治療(t-PA治療)を施術することができました。この治療は時間との戦いで、発症してから3時間以内(今では4時間半に緩和された)に処置しなくては効果が少ないとされています。僕の場合はかなり重篤な症状で、少しでも治療が遅れたら、後遺症のみならず一命も落とすところでした。18日間の入院加療で後遺症も残らず、日常の生活を送れるようになりました。テニスの仲間は今でも感謝しています。

さて、私はここに移住して38年なります。あっという間に歳月がたちました。「光陰矢の如し」「歳月人を待たず」といいます。時間は急ぎ足で過ぎていきます。あと何年生きるか分かりません。いつか訪れる最期まで、老人ホームの世話にならず、自分の家で花や鳥の美しさを楽しみながら、往生したいと思っています。

(注)ハクチョウの画像がアオサギになっています。

コメント

  1. 堀内 法子 より:

    本当に緑の多い素敵な処ですネ~❗👏
    篠崎さんと同じ様に地域を愛する方々が、
    ボランティアで更に素晴らしい花と緑の街にされて居られるのですネ。
    亀🐢の甲羅干しも、あの様に並ぶと可愛く微笑ましく想いますネ❗ꉂ🤣𐤔
    最後に、テニス仲間によって一命を取り留めたとの事ですが、
    此れからもお元気でLSCの為にもご活躍を祈念致しております。